|
|
|
見本誌 |
---|
「この剣に誓って」第1回 by 村井亮介 ある星である時代ある人々が暮らしていた。それはまだ人々が宇宙(そら)へ飛び立つ はるか以前のこと、まだ人間以外の色んな種族が人間と交わり暮らしていた頃、魔法と 剣が何よりも尊重された時代のお話しです。 トクガワ・キングダムの外れにある丘の上から木を打つ音が小気味良く響いていた。 ツイータはそっと丘へと近づき様子を伺ってみた。すると一人の少年が、木からぶら 下げた丸太を鉄の棒でリズミカルに叩いていた。少年はそうやって剣術の稽古を一人で やっているのだ。少年はツイータが訪ねてきた相手に間違いないようだった。 ツイータはその長い前髪をかき上げて少年に声をかけた。 「よう、君が『マジ』君だろう?マジ・クメージン君だろう?」 少年は驚いて丸太を打ちそこねて、反動ですってんころりんと転んでしまった。 「はっはっはっ、転がり方も生きがいいなあ。」 「脅かさないでください!!!って、あれ?あなたは・・・。その青白くて面長の顔と とがった耳とスラリとした体型はエルフ族・・・。エルフ族の方ですね!?うわっ、 すごいなあ、はじめてエルフ一族の方にお目にかかりました。こんな人間の国の田舎に エルフの方がいらっしゃるなんて珍しいですよね。ましてや、今はトクガワは鎖国して いますしね。僕はマジ、マジ・クメージン。剣士の卵です。」 マジは胸を張って言った。その体は真冬であるにも関わらず、半袖半ズボンだった。 エルフ族とは亜人種のことで、いわゆる人間とは違う高度な知性を持つ種族である。 「剣士の卵?ふうん、君は魔術師になるんじゃないのかい?」 少年は黒い短髪をかきながら口を尖らして言った。 「違います。僕は剣士の卵です。」 「しかし、君の家は代々魔術師の家柄じゃないか。家族も親戚も隣近所の人たちも みんな反対してるだろう?」 「そうなんです。でも、僕は魔術師の家を捨てても剣士になります。」 マジが言うやいなやツイータはいきなり黒光りした大剣を振り抜くとマジに 斬りつけた。 つづく |
SEO | [PR] おまとめローン 花 冷え性対策 坂本龍馬 | 動画掲示板 レンタルサーバー SEO | |