「海洋冒険小説 星に向かって帆を上げよ」
 このマガジンは海洋冒険小説「星に向かって帆を上げよ」を連載するためのものです。
主人公のカズネストはリスボンの下級貴族の家系に生まれ、海洋冒険家として
一流になるべく冒険や交易、海賊との戦闘などにあけくれて自分を磨いて
生きていきます。そんなカズネストとその仲間達との交流や友情、ほのかな恋心
そして成長して行くありさまを描いていきます。

見本誌

「星に向かって帆を上げよ」第1回 by 村井亮介


今からおよそ百年ほど前のこと。ヨーロッパの中にあるポルトガルという国の
リスボンの街にて一人の青年が独り立ちをした。下級貴族の家に生まれた
彼の名前はカズネスト。父親の遺産の船バルシャ一隻を受け継いできっと世界一の
海洋冒険家になってやると心に決めて、冒険者ギルドの門戸を叩いたのであった。

ダガーと北大西洋海域の入港許可、そして冒険者養成学校への推薦状をもらい
カズネストはリスボンの学校に通い始めたのである。

 友達はすぐにできた、教官から三人で艦隊活動をするようにと言われて
恐る恐る二人の学生に声をかけたのだ。二人ともどこかで聞いた名前でもしかして
有名な人なのだろうかと内心少し怯えながらの勧誘であった。
 ポルトガル人のヒロ・ナカムラはどこか純粋な感じのする人で
「やったー、僕も相手を探していたんです。よろしくです〜」と応じてくれて
フランス人のクララゼーゼマンは少し人見知りな感じで
「はい、もし足りなかったらお友達を連れてきますよ」と言ってくれた。
そして互いの連絡先を交換しあったのだった。
 これからこうした冒険者の友達が増えていくのを期待と不安が交錯する
胸の内で受けとめていたのだった。

 しかしカズネストは一刻も早く海原へと出たかった。学校の初等科の
最初の頃の授業はリスボンの中のものなのだ。だから若い頃は冒険家だった
祖父が話してくれたことを思い出したらいてもたってもいられなくなった。
「わしが若い頃はリスボンとマディラを往復して砂糖の交易で一稼ぎした
ものだったよ」
 そうだ、この父から譲り受けたバルシャでマディラへ行こう。そう決めて
まだなんの戦闘訓練も戦闘経験もないカズネストは意気揚々とリスボンの
街を後にしたのだ。

 するとすぐに海賊に襲われた。流れ者の海賊に襲われたカズネストは
逃げもせずに応戦した、数発の砲弾を受けたがどうやら攻撃力はこちらが
上らしく撃破して戦闘経験を得た。初勝利だ。
「なんだ、楽勝だな」海の怖さを知らないカズネストはなめてかかっていた。
だから次に襲われた相手にも逃げずに応戦した。相手は海軍崩れの海賊。
さっきの相手とは耐久力がかなり違うらしいと気が付いた時にはもう手遅れ。
船は撃沈されていた。白旗を掲げて錨を降ろしているカズネストはどうしよう
ここで救命具を使って近くの街まで行こうか、しかし救命具がもったいない
などと考えていた。

 そこへ救いの神が通りかかった。
「近くの街まで曳航しますよ」

つづく
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